不安障害と診断されたけれどどうやって治せばいいのだろう…と不安になっていませんか。本当に良くなるのかな、しっかりと病院に行っているけれど自分では改善を実感できなくて心配..というお声を弊社では沢山いただいています。
しかし、安心してください。不安障害だとしてもあなたの状況は正しい心のケアをすることにより徐々に回復をすることができます。
具体的には、「不安」に対する捉え方と「不安=不安になってはいけない!」という気持ちを少しずつ不安になっても大丈夫、不安は悪ではないんだよ、と自分自身に優しくなることで改善をすることができます。
これからお伝えする内容は、不安障害を自分で克服する方法と、専門家と一緒に素早く改善する方法の2つお伝えします。最後まで読んで、不安の克服方法をぜひ参考にしてみてください。
目次
①自分でできる不安障害の克服方法
まずは、自分でできる不安障害の治し方を探していきましょう。現在の生活習慣や日常の行動を工夫することで、不安を軽減させることができます。その前に、不安障害かもしれない…と感じている方は最初に不安障害とは何か?の記事を読んでみると、より分かりやすいと思うのでお勧めです。
1-1:食事療法で体質を改善する
朝ご飯を抜いたり、添加物の多いものばかりを摂取したり、食事の時間が不規則になるなどの行為は万病のもとです。
身体の健康状態は、心の健康状態を左右しますので、バランスの良い食事が重要なポイント。下記のような主食、主菜、副菜を、バランスよく取り入れるよう心がけましょう。
・主食(ごはん、パン、うどん、そばなど)
・主菜(肉、魚、卵、大豆製品など)
・副菜(野菜、キノコ、豆類、海藻類など)
ここに牛乳、チーズなどの乳製品や果物も取り入れると、より良いですね。
1-2:日光浴で不安障害の原因を撃退
太陽の光に浴びると、脳内で、「幸せホルモン」 と呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」が分泌されます。このホルモンには、ストレスを緩和させ、感情を安定させる効能 があります。このセロトニンが不足をしていると、どのような気持ちになるのでしょうか…
攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック症(パニック障害)などの精神症状を引き起こすといわれています。
参考:e-ヘルスネット厚生労働省
大切な人を攻撃してしまったり、不安な気持ちをずっと抱えていることは心苦しいですよね。多くの場合不安障害の方は、セロトニンのバランスが崩れていたり、不足したりしているために、不安や緊張といった感情が人より大きくなってしまう と考えられています。日光浴で、積極的にセロトニンの分泌を促してあげましょう。
1-3:適度な運動で体と心をスッキリ
適度な運動においても、神経伝達物質「セロトニン」が分泌されます。週に2、3回、1回につき20~30分程度の運動 を行うことにより、セロトニンが分泌され、不安障害の改善に大きな期待ができます。
運動の種類には下記の二種類があります。
・有酸素運動
ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなど
・無酸素運動
短距離走、筋力トレーニング
不安障害の方にぜひ行っていただきたいのは、有酸素運動です。身体を動かすことによって、「気持ち良い」と感じることから始めてみましょう。
1-4:誰かに話をして心を楽にする
「自分は不安障害なのかもしれない」と思った時、インターネットや本で対処法を探すことも手立ての一つです。しかし、ひとりで模索することに陥ってしまうことが多くあります。
さまざまな検索結果や資料に振り回されてしまい、不安や悩みが増幅してしまう場合があります。そんな時は、ひとりで悩まず、誰かに話してみましょう。人に話すと、自分の中で複雑に絡み合っていた心境の整理ができることがあります。
1-5:物事の捉え方を変える
長年培ってきた自分の性格や物事の捉え方を変えることは、容易なことではありません。物事の捉え方を強制的に変えようとするのではなく、「考え方を少しだけ変えたら、心が楽になった」というような経験を、1つ1つ積んでいきましょう。 それでも不安感で押しつぶされそうになった時は、専門家に相談をすることがおすすめです。
②不安障害に薬物療法は効果的なのでしょうか
不安障害を克服する方法の中で有効な方法の1つに、薬物療法があります。薬は、あなたの不安を軽減する手助けをしてくれる、心強い味方です。しかし、不安感が強い時には有効ですが根底の問題を解決することはできないという欠点もあります。
不安障害は不安に対する考え方を変えることにより解決をしていくのですから、お薬はあくまでも補助的な存在だと思って読んでもらえると嬉しいです。
2-1:処方される薬は安全なのか
脳内で、神経伝達物質「セロトニン」のバランスが崩れ、不足していると、不安障害が引き起こされると考えられています。
不安障害の治療において、セロトニンのバランスを整えるために用いられている薬を、2つご紹介します。
・抗うつ薬「SSRI」
神経伝達物質のセロトニンの働きを活発にすることで、不安、憂鬱などの感情の抑制します。
・抗不安薬「BZD」
神経伝達物質のGABAの働きを活発にすることで、不安、緊張、興奮などを緩和します。
その一方で注意点があります。
安定剤は、即効性が期待できる反面、長く使い続けると依存性が生じてくることがあります。
参考:パニック障害不安障害 みんなのメンタルヘルス
このように薬に頼りすぎてしまうと薬に対しての依存症状がありますので、非常に注意が必要です。
2-2:不安障害で処方される薬の副作用があります
薬の副作用として挙げられる症状は、不快感、眠気、倦怠感、吐き気や嘔吐、食欲不振、体重の増加や減少などがあります。
心配なことや気になることは、すぐに医師に相談しましょう。
ご自身の判断で服用を止める、減薬することなどは、再発の原因になりかねません。
自己判断はせずに、医師に必ず相談をするようにしてください。減薬をご希望の場合は、減薬のための準備が必要になります。
参考:お薬110番
③薬を使わずに不安感から解消される心理療法
不安障害がなかなか治らない方には心理療法がおすすめです。心理療法とは不安障害を引き起こしている部分に対して癒すことができます。厚生労働省も、心理療法やカウンセリングの効果と必要性に言われています。
認知行動療法という治療法は、薬による治療と同じくらいパニック障害に治療効果があることが認められています。
参考:厚生労働省 パニック障害 不安障害
しかし、薬には依存症の効果も高く健康面への心配が少なからずあります。そう考えると、不安障害は薬ではなく心理療法を中心に改善をすることで、将来的にも安定した心を保てるようになると考えています。
他にも、不安になった時はどうしたらいいのか、そもそも不安はあなたを守ってくれているものだということを自分で受けれてあげることができるようになります。
そうすると、徐々に不安に対しての捉え方が代わり何かあっても「まぁ大丈夫か!」と思えるようになっていきます。もっと詳しく心理療法で行うことをのぞいていきましょう。
3-1:前向き思考を身につける
自分にとってあまり良くない物事が起こった時、「今後、もっとまずい状況になるのではないか」などの不安に苛まれてしまうことはありませんか。そこで考え方を少し変えてみましょう。
たとえば、「乗り越えるのは大変かもしれないけれど、きっと良い方向に向かってくれる」と考え方を変えてみてください。このような考え方をたくさんすることにより、前向き思考が身についていきます。
3-2:不安に対する考え方を変える
不安障害の治し方に、「認知行動療法」と呼ばれる方法があります。
認知とは、何かトラブルが起きたときの考え方や捉え方のことです。この認知が、あなたの行動に繋がっています。
(例)
Aさんに挨拶をしたけれど無視されてしまった→どうしよう嫌われたのかもしれない!!→嫌われることが怖くて不安でたまらなくなる
この考え方をずっと抱えているのは、苦しくなりますよね。そこで、少しだけ見方を変えてあげます。
「もしかしたら疲れているだけかもしれない」「もしかしたらAさんは考え事をしていて聞こえなかったのかもしれない。」
このように1つのことをいろんな方面からみれるようにトレーニングをします。そうすることで何か物事が起きた時に不安と直結することがなくなります。
一呼吸置きこれまでは不安だったこともどうしたらいいのかな?何が今できるのかな?と考えることができるようになります。
人間関係も、不安感も、かなり減るのもおすすめの理由です。もっと詳しく認知行動療法を知りたい方は、認知行動療法をわかりやすく解説をお読みください。
3-3:ストレスコントロールを学ぶ
あぁ、辛い。苦しい。と思った時にずっとその悩みがあたまの中をぐるぐるすることも時にはありますよね。
その間、あなたの心は強いストレスを感じています。そこで、マインドフルネスを上手に利用して呼吸を整えて神経を穏やかにしてくれる副交感神経を活発にさせてあげます。
そのあとに、自分の感情と向き合いどうしてそれがストレスになっているのか、どうしたらストレスを上手に溜め込まずに吐き出せるのか?をカウンセラーと一緒に相談をします。
3-4:過去のトラウマを乗り越える
人間は、嫌な出来事、悲しかった気持ちの方が、楽しかった出来事や嬉しかった気持ちより、鮮明に覚えている傾向があります。その出来事や気持ちが強烈に心に焼きついてしまうことにより、トラウマになってしまいます。
トラウマは、簡単に払拭することはできませんが、乗り越えることで、過去に起きた物事への気持ちの決着をつけることができ、前進することができます。また、どうしても過去のトラウマに対して不安感が強いときは、催眠療法で辛い記憶を緩和することもおすすめ です。催眠療法については、催眠療法の特徴で紹介をしています。
④不安障害を再発率は20%〜50%だとご存知でしたか?
不安障害が治ると、その後、不安障害は再発しないのでしょうか。そして最初をしないようにするためには心理療法や食事、環境を改善することで将来的に不安障害にならないような体質へと変化をすることができます。
約50%が改善しても症状が残り、残りの10~20%は同じか若干悪化するという研究の結果もあります。
参考:ハートクリニックこころの話
そうならないようにするためにも、根本にある心のケアた物事の捉え方を変えていくことが大切です。そうすると、最初に怯えることもなく本来の自分の良さを社会で発揮できるようになります。
⑤不安障害が再発する理由
どのようなタイミングで再発するかは、その人の性格、環境などの要因に関わってきますので、明示することはできません。1年後、3年後、5年後……、あなたがどのような環境に身を置いているか、想像もつきませんよね。何かの縁で、環境がガラリと変化するかもしれません。
そのような時に不安障害が再発することは、考えられないことではありません。
しかし、不安障害が再発してしまっても、焦らず、慌てず、その都度、今回ご紹介する改善策を取り入れていただきたいと思います。
⑥不安障害から卒業するために必要な3つの改善ポイント
不安障害の再発の可能性を少しだけ視野に入れ、知識を得ることで、再発しないような不安障害を克服するための行動に取り組むことができます。ここでは、再発しないための不安障害の克服の3つのポイントをお伝えします。
6-1:ストレスコントロール
先にも述べましたが、ストレスを感じたら紙に書き出すなどして、客観的にストレスを見つめてみましょう。 何に対してストレスを感じているかを知り、段階を踏んでストレスを取り除いていきましょう。
6-2:感情のコントロールを学ぶ
生活の中で、感情を揺さぶられる出来事が起きてしまうことは、防ぎようがありません。楽しいこと、嬉しいことばかりではなく、怒ること、悲しむこともあるでしょう。不安や恐怖を感じることもあるでしょう。感情はあなたの心が動いている証。
しかし、強い感情に長い時間、心が支配され、コントロールできないでいると、あなたを苦しめてしまいます。感情を上手くコントロールできない時は、静かに自分の心を見つめてみてください。
「何で悲しんでいるんだろう」と、冷静になることにより、「たくさん悲しんだから、次のステップに進めそう」と、あなたを縛っている感情をほぐすことができることと思います。
6-3:自己肯定感や自信をつける
自分の周りの人や知り合い、果ては道ですれ違う人など、みんな自分に自信があり、完全無欠の存在のように目に映ってしまうことがあると思います。
そのような時、決して、「あの人に比べると、自分はダメな人間だ」 などという否定的なことを思わないでください。
あなたの素敵なところは、あなたが知っているはず。他人と比べるのではなく、それを大事にしてください。自分を否定することをやめ、まずはありのままの自分を受け入れましょう 。これが不安障害の治し方の大きな一歩になります。
⑦弊社がおすすめする不安障害へのアプローチ
不安障害で悩んでいる人たちを弊社では数多くカウンセリングをしてきました。そこで、不安障害をどのように改善できるのか、どうしたら一番素早く不安感から解放されるのかについてお伝えをします。
STEP1:自分を受け入れる
自分と向き合って見えてくるのは、自分が理想とする人間像とは大きくかけ離れたものでしょう。ほとんどの人がそうなのです。完璧なひとなんて1人もいません。ありのままの自分を受け入れて下さい。問題解決への道のりはそこから始まります。
STEP2:今あなたを悩ませている問題の整理
いま感じている「辛いこと」「悲しいこと」は何ですか?
ストレスを感じている状況では、物事を認識する力が落ち、問題を的確に捉えることが難しくなります。そこで、認知行動療法をすることで問題を整理します。
STEP3:過去の出来事がどのように影響を及ぼしているかを知る
自信がない、自分が何をしたいのか分からない、劣等感を感じてしまう。
このような場合、過去の出来事が影響を及ぼしていることがあります。過去の原因を明らかにすることで問題解決の糸口をつかみます。
STEP4:自分の考えと現実の違いを受け入れる
長年培ってきたものの考え方を変えることは簡単ではありません。自分の考えと現実との隔たりは知らないうちにストレスを蓄積させ、物事に対する意欲は失われていきます。それを軽減させるために、自分の中に隠されている思考の癖や価値観を明らかにします。
STEP5:理想の自分を再発見しよう
自分の状況を明らかに見ることができたら、そこから、どんな自分になりたいかを探求します。感情のコントロール法、コミュニケーション力の育て方、ストレスとの付き合い方など、無理なく日常生活をおくるためのスキルはこれからの一生を通して使える必要不可欠のスキルとなるでしょう。
STEP6:目的に合わせたコーチングを行う
コミュニケーションや感情のコントロール、ロジカルシンキングなど、社会で生きていくために必要なことを学びます。そうすることにより、これから先何か辛いことが起きたとしてもひとりで乗り越えれる心の強さや問題の解決方法を身につけることができます。
⑧不安障害は必ず克服できると信じてみよう
不安障害の克服方法について、書いてきました。ご自身が取り入れていきたいものを徐々に取り入れていただき、より良い人生へと向かっていくことを、私どもは願ってやみません。
このページをご覧の方の中には、不安障害の悩みを誰にも打ち明けることができなくて、苦しんでおられる方もいらっしゃると思います。
不安障害は必ず克服できますので安心をしてください。これまで弊社でも不安から解放されずに悩んできた人たちが大勢いましたが、社会復帰をしたり、素敵な恋人ができたり、人生を充実されています。
どうしてそのようなことができるのかについては、ライフファクトリーのカウンセリングの特徴について記載をしました。
もしも、不安障害を素早く克服をしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
公認心理師:吉田澄央
ライフファクトリー東京代表。国家資格である公認心理師と産業カウンセラーの資格も保有。催眠療法の講師でもある。「改善するカウンセリング」の実現のために、今まで1万回を超える相談と向き合う。本気で相談者と向き合いアドバイスをするため弊社でも人気NO1
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