過去の失敗や大きな心の傷を抱えていると、辛くて苦しいですよね。私たちもこれまで何十年にも渡り辛い気持ちを抱えてきた人たちのご相談を受けてきました。
きっとこの文章を読んでいるあなたも、トラウマとなった出来事を体験して、あなたの心はたくさん心苦しい思いを抱えてきたと思います。
そればかりではなく、トラウマ体験後のいまもなお苦しみ続けていませんか。ですが、これを機にトラウマから解放され、穏やかな人生を送れるようになってくれると嬉しいです。
そのためにも、今回はカウンセリングでトラウマを解消させる方法をご紹介します。カウンセリングは基本、対話での改善方法となります。
ですから、薬を使う方法よりも抵抗が少ないことが特徴のひとつでもあります。初めての方も安心して始められますよ。
もしも、あなたがトラウマを克服したいと感じているなら、一緒にカウンセリングでの改善ステップを確認していきませんか。
目次
①トラウマは治るので安心をしてください
「もしかして一生トラウマで苦しまないといけないのかも…」と思ったことはありませんか。改善する兆しが見えないことは、さらにあなたを苦しめる理由になってしまいます。
もしも、今あなたがトラウマを抱えているとしたら、「必ず克服できるんだ」と自分自身を信じることから始めてみましょう。とは言ったものの長年にわたり抱えていた悩みを解決するなんて想像もつきませんよね。
しかし、トラウマを改善することは難しいことではありません。ですから、まずは「トラウマを治すことができる、何がなんでも治すんだ」という意思を持つことが大切なんです。
実際に、トラウマを抱えている人たちもカウンセリングを受けて無事に本来の自分を取り戻した方が大勢いらっしゃいますので、そのことを忘れないでください。もしもまだトラウマの原因や具体的な症状をお読みになっていない方は、トラウマの原因と具体的な症状をカウンセリング会社が紹介を読んでみてください。
② カウンセリングでトラウマを克服する4つの方法
一人ではもう抱えきれなくなったトラウマの苦しみは、専門家に委ねると緩和することができます。
ひとりでトラウマを克服する方法もどこかにあるかもしれませんが、ひとりでトラウマに向き合うことはかなりの精神的負担がかかります。
そこで私たちは、トラウマをできるだけ負担なく改善できるのは、専門家と一緒に心のケアを行うことだと考えています。
これから、専門家にしかできない4つのカウンセリング方法をご紹介します。カウンセリングの様子をイメージしなから読んでみてくださいね。
2-1: 心の整理をする傾聴カウンセリング
カウンセリングの基本はカウンセラーと相談者との対話です。会話をするだけなら友人や家族に悩みを打ち明けることと違いがないように思うかもしれません。
でもカウンセラーには、話し手が話しやすくなるような技術があるんです。「傾聴」という方法で相談者が話しやすい環境をつくるのが、カウンセラーの役割でもあります。
傾聴とは、簡単にいうと真剣に心を傾けて話を聴き、あなたの心を整理しながら心のケアをします。トラウマのカウンセリングでは特に3つのことを大切にしています。
【共感的理解】
相談者の気持ちに寄り添い共感しながら、気持ちを理解することです。ただ共感をするのではなく、クライアントの心の痛みや辛さを共有しながら心の整理や状況の整理を行います。
【無条件の肯定的関心】
相談者を一切否定せずに、心情や経験に関心をもって話を聴くことです。話の良し悪しや好みで評価せずに話を聴きます。
【自己一致】
相談者の話がわからないときはそのままにせず、真意を確かめます。話し手は聞き手だけでなく自身にも真摯な態度で話に臨んでいます。
「自然と口から悩みがこぼれてくる」そんな会話をするのがカウンセラーの持つよさです。もしかすると、自分のことなのに、何が辛いのか悲しいのか怒っているのかがはっきりしない時もありますよね。
話していくうちに自分がどんなことに悩んでいたのか、何が一番苦しかったのかがわかるようになっていきます。
何がトラウマの原因になっていて、今どんな影響があるのかなどが少しずつ解明されます。そうすることで、ひとりではいっぱいいっぱいだった状況から解放されて、客観的に出来事を見直すことができるようになります。心が整理されるとトラウマ克服に近づきます。
2-2:トラウマを緩和する認知行動療法というカウンセリング方法
トラウマのカウンセリングには認知行動療法も効果があります。例えば、あなたが過去に父親から虐待をされていたとします。そうすると、男性=暴力を振るうものだと認識をしてしまいます。
他にも、両親のことを毒親だとあなたの中で認識をしていれば少しでも自分に指示をしてきたり、注意をされると親のことを連鎖してしまい心がギュッと苦しくなってしまうというお悩みを抱えていたとします。自分の中で自然と繋げてしまった連鎖を少しずつ修正をしていきます。
そうすることで、男性への恐怖心が解放されたり相手に指摘をしたことがフラッシュバックしないようになります。
このようにトラウマのカウンセリングでは、認知行動療法を利用して自分のことを少し離れてみることができるようになり、恐怖心を克服できます。もっと詳しく認知行動療法について知りたい方は、認知行動療法の効果と具体的な方法をご覧ください。
2-3: トラウマを潜在意識から癒す催眠療法
表面的には普段通り過ごせていても、ふとした瞬間に苦しさが訪れているなら、深層心理で不安が拭えていない可能性があります。催眠療法なら、心の奥底に根付いた恐怖のほとんどを取り除けます。
でも、どうして催眠療法では恐怖心やトラウマを取り除くことができるのでしょうか。なぜなら、催眠中は脳波がリラックスした状態になり、一時的に苦痛から離れることができます。
催眠中が自身を切り離し、客観的に眺めることができ、自身のトラウマや過去の経験と向き合うことができるのです。
弊社が最もおすすめするのは、催眠療法とカウンセリングの組み合わせです。通常のカウンセリングと併せて行うことで、カウンセラーの助言を心から受け入れやすくなります。
その理由のひとつとして、改善が早いことにあります。それゆえに相談者の心身の負担が少ないのが特徴です。
催眠療法では、日常意識の95%の判断を司る部分に、直接傷を癒すように言葉を促すことができます。健在意識(自覚できる意識)の5%に訴えかけるよりもずっと素早いアプローチをしてくれるのです。
また、療法中は脳が非常にリラックスした状態になります。日頃から抱えているストレスを緩和したり、全身の血のめぐりを良くできますので、心身を軽くすることもできます。
2-4: 目を動かしながらトラウマのケアをするEMDR
「EMDR」(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)は、1989年にアメリカで発表され、日本でも広まってきている心理療法です。
一言でいうと、トラウマについてカウンセラーとやりとりをしながら、目や耳、手に刺激を与える方法です。どんな治療法なのかまだ想像がつかないと思いますので、もう少し具体的にご説明しますね。
【EMDRの療法例】
(1)トラウマ体験を思い出しながら、自分の感情にも意識を向けます。
↓
(2)目で左右交互の方向を見ます。
耳で音を左右交互に聞いたり、手や肩、膝を交互に叩いたりすることもあります。
↓
(3)質問に沿って自分の状態で気がついたことを話します。
つらい記憶や感情から適応するように療法を続けます。
これを繰り返すことで、音や感触が直接脳を刺激します。その刺激が、脳が本来もっている処理能力を促します。ネガティブな感情や記憶をポジティブな方向へと導く効果も期待できます。
しかし、EMDRは三半規管が弱い方は酔って体調不良を引き起こしたり時間もかかります。その一方で効果としては催眠療法よりは弱いです。もしもEMDRを受けるのでしたら、催眠療法を受けていただく方がカウンセリングの効果は高いと弊社では考えています。参考:日本EMDR協会
③ 失敗しないトラウマを克服するためのカウンセリング選び
いままで4つの療法をお伝えしてきました。しかし、どんなカウンセリングの先生や場所が自分に合うのだろうか…と困ってしまいますよね。
あなたに合うカウンセリングを選ぶための方法をご紹介しますので、目安にしてみてくださいね。
大切なのは、カウンセリングを選ぶために事前にWebサイトを確認したり、電話などで聞いておくことです。電話をするのが苦手な方はメールで連絡するのもいいでしょう。予約を入れる前にきいておければ安心ですね。
ただし、近年カウンセリングなどは予約時から混み合っている傾向にあります。予約は早めに取り、予定日は時間にゆとりをもっておくことをおすすめします。
3-1:改善方法に納得できるような提案してくれるカウンセリングルーム
カウンセリングについて内容を丁寧に教えてくれる所がおすすめです。療法について不安があったり、わからない箇所があれば問い合わせておきましょう。その際具体的なステップなどを教えてくれる親切な場所を選ぶことをおすすめします。
3-2: 先生が社会経験豊富かどうか
人生経験や社会経験が豊富な先生の方が広い視野を持っている傾向があります。どのような先生が担当してくれるのかあらかじめ調べたり、聞いておくといいですね。
具体的には、他の職業を経験していたり、多くの患者さんをみていたり、さまざまな療法を知っている先生は豊富な知識からあなたをサポートしてくれるでしょう。
カウンセリングは机上の空論ではなく、それぞれに適合する療法を選べば効果があるものです。あなたに本気で向き合い人生を良いものにするために考えてくれる先生を選びましょう。
3-3: ひとつの療法ではなく自分に合った方法を選んでくれるか
どれかひとつの療法にこだわるのではなく、複数の選択肢の中から自分に合った方法を選んでくれる先生を選びましょう。
今回ご紹介した4つ以外にも、カウンセリングによる治療方法はありますので、改善が感じられないようであれば担当の先生に尋ねてみてくださいね。
万人に効く薬がないのと同じように、療法にも向き不向きがあります。いまのつらい状態を改善するためにも、焦らずあらゆる療法を検討してみましょう。
他の療法を受けるためにはセカンドオピニオンという手段もありますから、違うカウンセリング施設を選ぶこともひとつです。先生と相談して紹介状を書いてもらうこともできますよ。
④ 弊社お勧めのトラウマを克服するためのカウンセリングのステップ
弊社のトラウマのカウンセリングは、主に4つのステップで行います。一気に4つを行うのではなく、3ヶ月をワンクールにしてステップバイステップで進んでいきます。
STEP1:自分を知り・受け止める
ありのままの自分を受け入れてあげましょう。ありのままの自分とは良いところや自分では欠点だと思っている部分を全て受け止めます。
このステップでは、ありのままの自分自身を受け止めてあげながら、現状の整理も行います。そうすることで、次のステップの催眠療法の効果を最大限引き出すことができるようになります。
STEP2:催眠療法
催眠療法では、過去に遭遇したトラウマの傷を軽減することができます。記憶を少しずつ薄くすることにより、トラウマを乗り越えることを後押しすることができます。
時には擬似記憶を入れることで、トラウマそのものを消去することもあります。この記憶に関しては、事前にしっかりとご相談をさせていただきますので、ご安心ください。
STEP3:心理療法
催眠療法を何度か行うことで、過去のトラウマの記憶が少しずつ減少していきます。しかし、催眠療法だけでは、どこかのタイミングでフラッシュバックしてしまう可能性があります。
そこで、心理療法を通じて心のケアの仕上げを行います。心理療法では、物事の捉え方や自信を持つ方法などを学び、心を楽にしていきます。
STEP4:メンタルを強化する
生きていると楽しいことばかりではありません。大変なこともたくさん遭遇することでしょう。
そこで、何があっても折れない心になるメンタル強化やストレスコントロール、感情のコントロールを学ぶことで、トラウマの記憶をすぐに呼び起こさないようにすることができます。
⑤ トラウマはカウンセリングで改善できる
信頼できる相性の良いカウンセラーに出会えると、トラウマだけでなく他の悩みも少なくなっていきます。友人や家族以外のなんでも話せる頼もしいパートナーになるからです。あなたの性格や悩みに寄り添い、的確なアドバイスをしてくれますよ。
まず何よりも、トラウマに悩まなくなれば、日常生活で活動できる幅も広がります。そうすると、あなたを苦しめるきっかけを減らし、本来のあなたを取り戻すことができるようになります。
トラウマをカウンセリングで克服すれば、これまでに訪れたかった土地や、聴きたかった音楽、連絡したかった相手と話ができるようになるかもしれません。
もちろん、ぐっすりと眠れる日が増えて、日々の麻痺してしまった気持ちも徐々に穏やかになっていきますよ。あなたの大切な人生の時間をトラウマから解放できるように、今回はトラウマの克服方法について細かくお伝えをしました。
今はまだトラウマから解放されることが想像つかないかもしれません。でも、カウンセリングを受けることで、その痛みや苦しみは少しずつ緩和しますので忘れないでいてくださいね。
これまでに多くの方が弊社のカウンセリングによって症状を改善されました。カウンセリングの特徴も読んでいただくと、トラウマがカウンセリングで素早く改善する理由がより詳しく書かれています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
公認心理師:吉田澄央
ライフファクトリー東京代表。公認心理師でもあり催眠療法士として活躍。「改善するカウンセリング」の実現のために、今まで1万回を超える精神科診療に同席。現役の心理師でありながら日平均来院数1000人以上の精神科医院にて、患者相談部門の事務長を任される経歴を持つ精神科医療分野のプロフェッショナル。
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