「私ってまさか恋愛依存症?」専門家が恋愛依存症の真実をズバリお答えします!「私、恋愛依存症かも」と聞いたとき、どんな印象を持ちますか?
恋愛!魅力的!と思う方もいると思います。そう、恋は素晴らしいことですし、ごく自然な欲求です。しかし恋愛しながら、仕事・友人もしくは自分自身をおろそかにして日常生活に支障が出たら…。
これは恋愛依存症という心の病のひとつであり、あなたの人生を苦しめてしまう原因のひとつでもあります。
しかし、デリケートな問題だけに誰にも相談できず、自分を責めるなどひとりで悩む方が多いのもこの恋愛依存の特徴です。
しかし恋愛依存は「元々の価値観」「趣味の範囲」と受け取られてしまうことが多いのですが、実際はそうではなく根本的な心の辛さや傷を抱えていることが大半です。
だからこそ恋愛依存を正しく知り、必要なケアをすることで初めて恋愛依存を克服できますので今辛い状況で悩んでいる方は、ぜひ最後までこの文章を読んでもらえると嬉しいです。
恋愛依存症は「恋愛」という一見プラスな言葉がつくだけに軽視されがちですが、このままでいいはずがありません。
カウンセリング会社として、恋愛依存症についての知識と克服方法を知ってほしい。そして恋愛依存症に悩む多くの人に本当の幸せな恋愛をしてほしい。
その思いから、この記事では心理の専門家が恋愛依存症の正しい知識をお伝えします。もしも今、恋愛依存で悩んでいるとしたら、ぜひ最後まで読んでください。そうすると、あなたの悩みを解決することができます。
目次
①恋愛依存症ってどんなもの?状況がよくわかる3つの特徴
恋愛依存症とは別で、恋愛体質という言葉があります。この2つは似ているようで実はまったく違います。恋愛体質の人は、自分が幸せになるために相手を選び、自分磨きをすることで全体的にプラスの方向にいく恋愛をします。では、恋愛依存症とはどんな状態でしょうか。特徴を主に3つ、ご紹介しますね。
恋愛依存の特徴①恋人が最優先
恋人に夢中で世界が恋人中心に回っている!というのは一見華やかですが、他のことが手につかず、すべてを恋人に合わせて決めてしまうのは要注意です。この「常に相手に尽くしてしまうこと」が恋愛依存症のいちばんメジャーな症状です。
<恋愛依存症のあるある>
・恋人の無茶な要求をのむ
・恋人の予定に合わせるため友達との約束を断る
・家族や友人から恋人との関係について注意されても受け入れられない
・睡眠時間を削って恋人との時間を作るなど、無理をして自身の健康を害する
こんな状態になっていませんか?ひとつでも当てはまるのでしたら、恋愛依存症になっているかもしれません。
恋愛依存の特徴②恋人の全てを把握しないと不安
恋愛依存症の人は恋人の行動の全てを把握したがる傾向があります。どこへ行くのか、誰と会うのかなど本来はすべてを知る必要がないのですが、独占欲が先走り我慢できません。
特に恋人の状況をSNSでチェックしている方はかなり依存度が高い状況です。恋人には恋人の人生がありますし、あなたにはあなたの人生があります。どうしても相手のことを全て知りたいと思ってしまう気持ちはとてもよく分かります。
ただ、もしもあなた自身が彼と長い間生活をしていきたい、側にいたいと思うのでしたら少し距離を置いてみましょう。そうすると、あなたが自立をするだけではなく、彼自身もあなたのことを大切にしてくれるようになります。
恋愛依存の特徴③悲観的な思い込みが激しい
「返信が遅い!!」
「恋人の帰りが予定より遅い!!」
ささいな状況でも恋愛依存症になると強烈な不安になります。実際の恋人の愛情表現や言動は素直に受けいれられず、別れや浮気などのマイナスな幻想ばかりしてしまいます。
例えば、返信が遅いと「彼が浮気をしているに違いない!」「もしかすると彼に嫌われたかもしれない!」と不安になってしまうことです。
そうすると、どんどん思考がネガティブな方向に堂々めぐりをしてしまいますよね。このネガティブな連鎖がおこればおこるほど、彼に依存をしたくなってしまいます。
②試してみましょう!恋愛依存症の10チェック
ここで、恋愛依存症の特徴をいくつか書いてみました。もしかすると、心あたりがある..と思ったかたもいるかもしれません。気づかないうちに恋愛依存症に足を踏み入れていたかも!と気づくことも、自分自身を大切にするための大切な一歩です。
「私も恋愛依存症かも?」と思う方は、恋人との関係で感じていることを次のシートでチェックしてみてくださいね。
✔️自分に自信がない
✔️彼がいなくなったら生きていけない
✔️恋をすると一番に恋愛を優先する
✔️彼といるときは嫌な自分を忘れることができる
✔️すぐ恋に落ちるが、熱しやすく冷めやすい
✔️彼との関係を友人から反対されても別れるつもりはない
✔️彼と一緒にいたいので付き合ったら同棲することも多い
✔️寂しさから好きでもない人とデートをしたことが何度もある
✔️誰よりも彼のことが優先。自分のことも喜んで後回しにして彼に尽くす
✔️彼から必要とされることは私の生きがい!支えることを幸せに感じる
5つ以上当てはまる方は恋愛依存の傾向にあります。多ければ多いほど、恋愛依存症の可能性は高まっているかもしれません。
あなたは、いかがでしたか?もしもこれはまずい!と思ったら、恋愛依存症から抜け出す一歩を踏み出すことができたと思ってくださいね。気づくことが何よりも難しく、大変なことなんです。
③まるっとわかる!恋愛依存症の具体的な症状とタイプ
ひとくちに恋愛依存症と言っても全く異なる4つのタイプがあります。いくつかのタイプを併せ持つ人も多くいます。恋愛依存から抜け出すにはまずは自分のタイプを知ることが大切です。早速一緒にみていきましょう。
3-1:恋愛依存症の回避タイプ
その名の通り、無意識に幸せになることを「回避」します。恋愛依存のイメージと逆では?と思いますが、クールなのとは違います。たとえばDVの加害者になりやすいのは回避タイプの恋愛依存症の人です。
*相思相愛というより、相手から好意をもたれて上の立場になりたい
*好かれることで自分が特別な存在であると認識する
恋愛でこのような感覚を持ちやすいのが特徴です。
他にも、
*恋愛しても結婚など親密な関係にはなりたくない
と感じるのが特徴で、自分から結婚できないように仕向けたり、幸せになりにくい相手を選んで恋愛したりという傾向があります。他人との深いかかわりを避ける反面、実は心の底で愛を求めています。
3-2:恋愛依存の中でも深刻な愛情がほしい依存タイプ
恋愛相手に親のような「無条件で確実な愛」を求めます。LINEの返事が遅い、など小さなことでも「見捨てられた」「嫌われた」と反応が過剰になりがちです。この裏には自己肯定感の低さや強い自己否定の気持ちがあり、その苦痛を埋めてくれる人を強く求めているのです。
このタイプは相手にとことん尽くすという面では良いようにも見受けられます。しかし相手の幸せのために尽くすというよりは恋人に尽くすことで自分の存在意義を満たしたい気持ちが根底にあるので、生活に支障がでるほどに自己犠牲的であったり、苦しい恋愛なのに離れられなくなったりします。
3-3:恋愛依存のロマンスタイプ
恋愛がすべて!と考え、普通の恋では満足できず刺激的で非日常的な恋愛にハマる恋愛依存症のタイプです。
周りの反対がある相手にアタックしたり、一瞬で熱くなるのにすぐに冷めたりとドラマチックな展開を繰り返します。好みの問題というより、罪悪感を抱えながら浮気などスリリングな恋を続けます。
自然、恋愛歴の数は多くなります。しかし相手のありのままを愛することはできず、本当に幸せになることができません。
3-4:恋愛依存のセックス依存タイプ
体の関係を通してしか愛情を確認できない恋愛依存症です。セックスが好きということではありません。ただ自分の寂しさを埋めたい!と思っている方がこの行動をする傾向があります。
側から見たら「そのような趣味だ」と思われてしまうこともありますが、実際は自分の意思では止めることができず、強迫的に思い詰めて行為に及ぶのが特徴です。
特定の恋人がいるのに複数人と関係を持ったり、好きでもない人とでも関係を持ったりと、苦しみながら負のループを繰り返します。
セックスを通じて強い自己否定の感情を埋め、「自分はここにいてもいい」と安心感を得てしまうのです。
④恋愛依存症を引き起こす、4つの原因
恋愛依存を引き起こす原因について一緒にみていきましょう。例えば、アルコール依存の場合、アルコールを一切とらないようにする、身の回りにも置かない、というのが最終的な手段となるようですが、恋愛依存症ではどうでしょうか。
一生、身の回りの恋愛対象者をすべて排除し恋愛せずに生きる、なんてできませんよね。つまり恋愛依存症のケアでは、原因にアプローチして根本から行動や考え方を変え、幸せな恋愛ができる未来を歩むことが大切なのです。この項目では恋愛依存症の大元となる原因について掘り下げてみました。
4-1:恋愛依存の原因①幼少期の環境
恋愛依存症の人は、多くの場合、幼少期に親との間に適切な絆が結ばれずに育った背景があることがとても多いです。
・子どものころ虐待された
・兄弟や他人と比較されて育った
・過保護に育てられた
・親が忙しくて甘えられなかった
・親の愚痴ばかり聞いていた
・親に傷つく言葉を言われた
・親のアドバイス通りに動いてきた
こうした家庭環境に育つと子どもの心には孤独感や見捨てられる不安が大きくはびこります。このさびしさが大人になっても残った状態をアダルトチルドレンと呼んでいます。
アダルトチルドレンの状態にあるとストレスを抱えやすく、様々な心身の問題に発展することがあります。この問題のひとつが恋愛依存症です。アダルトチルドレンの心境や特徴について知りたい方は、アダルトチルドレンの特徴と原因の記事で紹介をしていますので、心あたりのある方は読んでみてください。
4-2:恋愛依存の原因②自己肯定感が低い
最近、自己肯定感という言葉はよく目にしますね。これは恋愛依存症にも影響します。まず「自己肯定感がある状態」とは一言でいうと自分の存在をありのままでOKと言えることです。自己肯定感が低い、はこの逆です。
もし自己肯定感が高い人が理不尽な言動をされたとしたら、例え相手が世界一好きな人であっても相手と自分のために最善の意見を伝えることができるでしょう。
しかし自己肯定感が低い人は、嫌われたくない思いから不誠実なことをされても相手に迎合します。むしろ我慢したことに自分の存在価値を感じることすらあります。ここが起因して恋愛依存症に至るケースがあります。
4-3:恋愛依存の原因③思い込みが強すぎる
ネガティブはよくないという考え方があります。しかし、ネガティブな人は状況判断に優れ危険を回避する能力が高いと言われていますし、特性ととらえていいでしょう。問題があるとすればネガティブそのものではなくそれによる自己暗示です。
例えば「彼がいないとダメ」とネガティブ言動をしていると、脳が「彼と別れたら死んでしまう」と間違って回路を作ります。完全に錯覚なのですが脳のインプットは現実としか思えないほど強力で、恋愛依存症に発展していきます。
4-4:恋愛依存の原因④頼れる人がいない不安
幼いころに両親が離婚した、またはお父様が頼れる状況になかったという経験が恋愛依存症の根底になっている場合もあります。
例えば、最初は日常の悩みや愚痴を話すなど、安心感を求めて男性に頼ります。次第に、その人がいなければ不安だ、その人を失いたくないからなんでもする、と思い込んでしまうともう恋愛依存症のはじまりとなってしまいます。
相手のことを愛することと、執着をしてしまうことは、似ているようで異なります。相手がいるから、自分も生きていられる!という状況になると恋愛依存症といえます。
⑤恋愛依存症から解放されませんか?
症状や原因を詳しく掘り下げてきましたが、いかがでしたか?恋愛依存症に悩む人は思いのほか多くいます。しかし病的な状況だとしても、自身やパートナーは傷つきますし、法的または倫理的な問題が出たときに社会は許してくれません。
しかし安心してください。恋愛依存症は克服できます!あなたが本当に幸せな恋愛を手に入れるために、恋愛依存症から解放されるためのメソッドをこちらにご用意しました。ぜひ、併せてお読みくださいね。
今日からできる!恋愛依存の原因と抜け出すための具体的な方法
公認心理師:吉田澄央
ライフファクトリー東京代表。公認心理師でもあり催眠療法士として活躍。「改善するカウンセリング」の実現のために、今まで1万回を超える精神科診療に同席。現役の心理師でありながら日平均来院数1000人以上の精神科医院にて、患者相談部門の事務長を任される経歴を持つ精神科医療分野のプロフェッショナル。
吉田心理師の監修:「不安障害」記事一覧
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