彼のことを優先しすぎて、気がつくと自分の生活は後回し。 彼の呼び出しで友だちとの食事を延期したり、仕事の大切なミーティングも彼からの連絡が気になって頭に入ってこない。
交際費ばかりがかさみ、家では洗濯物や持ち帰った仕事が溜まり、鏡には寝不足で疲弊した身体…。こんなことはありませんか?
彼のことが大切で仕方がない…でも本当にこのままで大丈夫なのかな。とふと我に返るとなんとも言えない気持ちになりますよね。
実は、このままでは、あなたのことを好きでいてくれる友人も職場の同僚たちも、いつの間にか周りから誰もいなくなってしまう可能性があります。
彼が大好きなことは決して悪いことではありません。ですが、恋人に依存して生きてしまうと、その重さ故に相手が離れていってしまうことが多いのです。
適切な恋人関係を保つ為には「依存」から脱出し、あなた自身の人生を育てることも大切です。彼とこれからもずっと仲良くしていく為にも、一緒に「恋愛依存」克服のステップを見ていきましょう。
目次
①恋愛依存を抜け出せない3つの理由
そもそも「依存」は恋愛以外にもお酒、ゲーム、ギャンブルなどあらゆる出来事に対して起こります。中でも「恋愛依存」は心を許した恋人が対象ですので、誰しもが依存している可能性があるのです。そして悩んでいる人がとても多いのも事実です。
実際に厚生労働省では、
「常にプレッシャーを感じて生きている」、「自分に自信が持てない」などの不安や焦りからアルコールや薬物、ギャンブルなどに頼るようになってしまい、そこから依存症が始まる場合もあります。
参考:厚生労働省 依存症対策
このように言われています。そのため、恋愛依存症も含めて自己肯定感を上げてあげたり、抱えているストレスと上手に付き合うことによって恋愛依存の状況から抜け出すことができます。
誰もが必ず恋愛依存から克服をすることができますが、そのためにはまず、「依存から抜け出しにくい3つの理由」を知ることが大切です。あなたの状況と当てはまるか確認しながら読み進めていきましょう。
恋愛依存から抜け出せない理由①自分の生き方を見つけられない
恋愛依存から抜け出したいのに、思うように抜け出すことができない時は「恋愛以外」に楽しみを見つけることが大切です。
例えば、お仕事が休みの日にあなたは一人でいたとします。そんな時は何をするのか少し想像をしてみてください。
もしも、こうしたイメージができない場合は、まだ自分の生き方を見つけられていない可能性があるかもしれませんね。時間がある=異性と過ごす以外の選択肢がないということは、あなた自身の可能性もとじてしまっていることにも繋がります。
とは言われたもののこの恋愛依存を克服するための文章を読んでいるあなたはきっと、彼から離れられない自分や、「異性がいないと生きていけない…」と日々悩みを抱えるだけではなく、これまでに何度も自分を変えようともがいているのではないでしょうか。
そんなあなたに知ってほしいことがあるのです。それは、1人でも、彼がいても、楽しく幸せに生きていく覚悟がことがあなたの人生を豊かにするだけではなく、本当に愛し愛される充実した人生を歩むことができるようになる一歩なのです。
恋愛依存を抜け出せない原因②意識しないようにすればするほど、依存症になる
「意識をしないようにしよう」と考えることで脳は逆に強く意識してしまいます。結果的に彼のことを常時考えてしまい、依存が深まることもあります。
例えば、「ピンクのイルカを想像しないでください! 」と言われると、思わず「ピンクのイルカってなんだ?」と想像してしまいませんでしたか?
このように、「〇〇してはいけない!」と思えば思うほど、どんどん想像し考えてしまうのです。これは、無意識の反応ですので自分自身ではどうしようもない部分です。この無意識を変えていくためにも、彼以外の別の対象に意識をずらすことが重要です。
恋愛依存を抜け出せない原因③自分=男性がいないと寂しいという思い込み
「男性がいることが心の支えになっている」と思い込んでしまうと、恋愛依存から抜け出すことが難しくなります。どんな女性も男性がいなくても生きていけるのですが、その状況に慣れていないので無意識のうちに1人になることの孤独感を感じてしまいます。
ですから、できるだけ女性の友だちや、1人で行動する勇気を持つことで徐々に恋愛依存から抜け出すことができるようになります。
② 恋愛依存を抜け出せない人の3つの共通点
本当は恋愛依存を抜け出して、自分らしく生きたい!余計な心配をせずに人生を思う存分楽しみたい!!と思っているのではないでしょうか。頭では理解しているのに、なかなか恋愛依存から抜け出すことは難しい..と感じてしまいますよね。
私も、同じような相談をこれまでにも多く受けてきましたが、恋愛依存を卒業できない人たちには3つの共通点があることがわかりました。
3-1: 自己肯定感が低い
「自己肯定感」という言葉が最近SNSやTVでも取り上げられていますよね。「自己肯定感」とは、自分のありのままを認め尊重できる感覚のことです。「長所も短所も含めて私なんだ」と受け入れ、自分基準で幸福を決められる人は自己肯定感が高いといえるでしょう。
あなたは自分のことを、「人より優れている所もないし、とびきり可愛いわけでもないから、私を好きになってくれるのは彼だけ」そんな風に感じることはありませんか?
仕事も趣味も外見もなんとなく自信がもてなくて、特技をきかれると困ってしまう方は多いと思います。
付き合う前は、彼を振り向かせる為に。付き合ってからは、彼を繋ぎ止める為に努力で補って頑張りすぎていませんか? 「素の自分では嫌われてしまう」と必要以上の努力を続けてしまっているのです。
3-2: ストレスに弱い
ストレス耐性が少ないほど誰かに頼りたくなってしまいます。この気持ちはよてもよくわかりますが、心ぼそさを誰かで補おうとすることで、いつまででも恋愛依存から抜け出すことができなくなってしまいます。
例えば、上司に仕事のミスをきつく注意されてしまったとします。上司に強く言われてしまったことと、仕事の失敗によるショックで落ち込んでしまう人も多いはずです。
しかし、ストレス耐性が低い人は、その失敗を何週間も引きずってしまったり、自分を責め続けて自己評価を下げてしまうのです。そのストレスを彼になぐさめてもらうことが習慣化すると、「ストレスがある度に彼に会いたくなってしまうサイクル」ができてしまいます。
意外と知られていませんが、自分自身の芯やストレスの耐性がつけばつくほど恋愛に依存することは徐々に減っていきます。
3-3: 寂しがりや
大人になればなるほど自由になり、1人で過ごす時間が増えていきます。学校に通っているうちは友だちと登校していた日々も、通勤では1人だったり。引越しや昇進で忙しい友人や、結婚し子どもがいる友人とは時間のすれ違いで会いづらくなっていたり。
今のあなたは「寂しがり」で彼に頼りきりになっていませんか? そこで、次の寂しがり診断チェック表を確認してみましょう。4つ以上当てはまる人は寂しがり度が強まっている傾向にあります。
【寂しがりチェック】
- 常に人との関わりを持ちたい
- SNSを日に何度も更新している
- 1人でも打ち込める趣味がない
- どんな時にも心の奥に孤独感がある
- 休日に1人で過ごすことはほぼない
- 飲み会などの集まりが月に5回以上ある
- 1人になると寂しさに押しつぶされそうになる
- 絶えず連絡を取り合っている人が10人以上いる
③ 恋愛依存を抜け出すために必要な3つのポイント
恋愛依存していると、自分の人生が彼なしでは満足できない生活になっていきます。もうすでになっている人もいるかもしれません。
毎日彼のことを考え、1人で思い悩み恋愛ファーストで生きていくことに疲れていませんか? 彼に愛情はないのに、さみしくて別れられないという人もいると思います。ここから、3つの依存脱出へのポイントをご紹介していきます。
恋愛依存を抜け出すポイント①過去の傷を癒す
以前に浮気やDV、モラハラや激しい束縛をされたことがあると、恋愛依存してしまう可能性が高いといわれています。過去の恋愛がどう関係するのかを見ていきましょう。
【過去の恋愛からの影響例】
彼の家でデートをすると毎回、料理や部屋の片付けや洗濯などを任される
↓
嫌がったり出来なかったりすると、「彼女なのに」「前の彼女はしてくれた」など不満を言われる
↓
喜んでもらいたい一心であれこれ家事をするも、結局彼から一方的に別れを告げられる
↓
「私に彼女らしさが足りなかったのだ」と思い込み、別れないために次の彼にはもっと世話を焼いてしまう。
このように、以前の恋愛経験を元に「彼に嫌われない為の行動」してしまうことがあります。今までが不幸な恋愛であればあるほど、「こうしたら嫌われるのでは」と1人で不安を感じてしまいます。
王道ですが、誰かに話を聞いてもらったり意識をずらすことが重要です。彼のことも知っている友人に打ち明けると、違う景色が見えてくるかもしれません。
あなたの過去の恋愛は、今に影響を及ぼしていませんか? その原因を知り、手放すことが必要です。過去の彼と、今付き合っている彼は別人だということを忘れないでください。
恋愛依存を抜け出すポイント②自分の生きる目標を決める
他人に振り回されず、自分の中でぶれない軸をもって生きている人はそう多くないと思います。むしろ依存している状態では、「彼なしでは生きていけない」と感じているのではないでしょうか?
ということは、「自分軸」をもち、自分本位に生きることが依存脱出に重要になってきますよね。
自分軸をもつには、あなただけの具体的な目標をつくることがおすすめです。始めは簡単に達成できる小さいものでもいいのです。昔から興味があったこと、挑戦してみたいこと、以前に失敗してしまったことなどを思い出してみてください。
例えば、新しく資格を取る、両親に親孝行をする、新たに友だちを3人つくる、副業を始めるなど、紙に書きだすとわかりやすいかもしれません。
目標を達成した後に、自分の状況や気持ちを確認してみると、「自分軸」のあり方がみえてくるはずですよ。
【目標達成後に考えること】
どんな人間になっているのか
どんな風に感じたのか
達成のためどのように行動したか
今後どんなことができるようになりたいか
自分にとって重要なポイントはどこだったか
あなたの周囲はどうなっているか、どうしたいか
恋愛依存を抜け出すポイント③ 物事の考え方を変化させる
考え方が変わると、恋愛依存を乗り越えることができるようになります。特におすすめな方法が、カウンセリングの中でもで「認知行動療法」という心のケアです。
例えば、「自分を犠牲にしてまで彼を最優先に行動してしまう」という行為の先には、あたなが求める結果を手にすることができるかもしれない!という無意識が働きます。この結果とは、彼にもっと愛されるかもしれない、自分のことだけをみてくれるかもしれないという可能性のことです。
また、彼と一緒にいると「愛されていると感じた」「寂しさが和らいだ」「自分が必要とされていると思えた」と感じていることが、脳にとって魅力的な報酬です。これがあなたの恋愛依存を加速させてしまう原因になっています。
その一方で、反対に「彼がいないと私は必要とされない」という気持ちも引き起こります。「彼がいなくても私は孤独ではない」と意識的に変化させるのが認知行動療法の役割です。
「自分は彼といる時は、どう感じているのだろう」と気づくことは必要なプロセスです。恋愛依存を克服するためには、「ありのままの自分を受け入れる力」と「現状を主観と客観で分けることも」大切です。「認知行動療法」はカウンセラーなどと一緒に練習することで充分な効果を発揮しますので、気になる方は専門家に相談してみてくださいね。
④ 恋愛依存を抜け出すための3つの方法
さて恋愛依存の原因と恋愛依存から抜け出すことができない人の特徴について紹介をしました。ここまで読み進めてくださったあなたは、もう恋愛依存を乗り越えるための一歩を踏み出したも同然です。
ですから、更にもう一歩踏み出すためにも恋愛依存を抜け出すためには、具体的にどんな方法があるのかを一緒に見ていきましょう。
4-1: 自分ひとりの力で恋愛依存から抜け出す
先ほどお伝えした、3つのポイントを意識すると良いでしょう。「過去の傷を癒す」「自分の生きる目標を決める」「物事の考え方を変化させる」の3つです。熱中できる趣味や、人生の目標を見つけることが近道かもしれません。
あるいは、彼と丁度良い距離を保つために、彼と会う時間を話し合うことも良いかもしれません。月にどれくらい会うのか、連絡頻度の希望などを聞いてみましょう。「すぐに連絡が取りたくなるけど、我慢したいから協力してね」とお願いしてみると、手助けしてくれるはずですよ。
ですが、これらの方法をすでに試している方も多いのではないかと思います。突然毎日はまる趣味なんて見つからないし、彼と過ごす時間の方が必要だとどこかで感じてしまっているのではないでしょうか。
「依存」してしまっていると、自力で完全に克服することは大変難しいことなのです。仮に恋愛依存から克服しても、別のものに依存してしまう人もいます。あなたが依存してしまう原因を根本から改善したいのであれば、続けてこの後の方法も読み進めてみてください。
4-2: 潜在意識を変えて恋愛依存から抜け出す
潜在意識を変える方法のひとつに、催眠療法という心のケアがあります。もしかして初めて聞いた方もいるかもしれません。
この催眠療法とは、最も辛さと痛みが少ない方法のひとつです。あなたの心の奥にある孤独や、愛されたいという気持ちを改善する手助けをしてくれます。
普段は気が付かない意識の中に、原因となるきっかけが隠れているかもしれません。催眠療法では、そのきっかけに働きかけ、自然に問題の核心を解放することができます。
短期間での改善のために、弊社では通常のカウンセリングと合わせて催眠療法をおすすめしています。「催眠療法は初めてなので、少し不安かも」という方はまず弊社の専門家に相談してみてくださいね。実際に催眠療法を受けるまえに疑問や懸念について、安心していただけるまで丁寧にご案内していますよ。
4-3: カウンセリングを受けて恋愛依存を克服する
恋愛依存しているときは、友人や家族になかなか相談しづらいのではないでしょうか? すでに何度も相談していて、呆れられていたり、彼以外の人間関係が疎遠になっているなんてこともありますよね。
そこで、話を聞いてくれるプロフェッショナルに相談をしてみることもおすすめです。先ほど恋愛依存を克服するために効果的な「認知行動療法」もこのカウンセリングを通じて行うことができます。
そして、カウンセリングではあなたの状況を整理し、どうなりたいか、どういう方法でなりたい自分になれるのかをサポートしてくれます。
あなたのどんな気持ちも受け止めてくれますので、今まで押さえ込んでいた気持ちを打ち明けることができます。気持ちを言葉にするだけで心が満足するという場合も意外と多いものです。
「カウンセリングに行くほど困っていないかも」と悩んでいるなら、むしろカウンセリングを受けることであっさりと問題が解決するでしょう。
⑤ 恋愛依存を抜け出して、自分の人生を歩みませんか?
あなたが彼を好きな気持ちをなくす必要はありません。ですが、あなたはあなたのことをもっと好きになってあげてください。あなたが恋人抜きのあなたも愛せたなら、何にも誰にも依存することなく自由に日々を過ごしていけるでしょう。
例えば、カウンセリングなど専門家のアドバイスはあなたを手助けしてくれるはずです。1人では行き詰まってしまった時、「誰かに彼の話をする」くらいの気持ちでカウンセリングに頼ってみてください。必ず力になってくれますよ。
カウンセラーなどの専門家は決してあなたを1人きりにせず、放り出したりすることはありません。依存から抜け出し、本来のあなたを取り戻すまで付き添い、道を示してくれますよ。
もしも、本格的に恋愛依存を改善したいときは、恋愛依存の克服方法のステップもまとめていますので、ぜひ読んでみてください。
公認心理師:吉田澄央
ライフファクトリー東京代表。公認心理師でもあり催眠療法士として活躍。「改善するカウンセリング」の実現のために、今まで1万回を超える精神科診療に同席。現役の心理師でありながら日平均来院数1000人以上の精神科医院にて、患者相談部門の事務長を任される経歴を持つ精神科医療分野のプロフェッショナル。
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