催眠療法と聞いて、あなたはどんなことをイメージしますか。もしかすると、日本では催眠とは、バラエティーのイメージが強いかもしれません。確かに、わさびの味が変わる、手が固まるなども催眠の一部です。
その一方で催眠療法とは幼いころの心の傷を癒したり、自信を持って勉強や仕事ができるようになったり、劣等感から解放することもできます。まるで魔法のように聞こえるかもしれませんが、催眠療法は心を癒し人生の後押しをする極めて効果の大きい心理療法のひとつです。
目次
①催眠療法は神官も利用するほど効果的
心のケアに有効な催眠療法ですが、一体どの時代からやってきたのでしょうか。歴史を遡ること、古代から催眠療法の起源があります。
きっと、この文章を読んでいるあなたも古代ギリシア、古代ローマ、古代エジプトなどの言葉を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
正直なところ、古代では催眠療法を宗教やヒーリングの目的として利用されていたと言われています。その後、悪魔払いとするシャーマン、ヒーラー、神官がこの手法を利用してきました。
②200年ほど前から心のケアとして催眠療法は利用されていた
催眠療法が始まったきっかけ、オーストラリアのフランツ・アントン。メスメル医師がきっかけです。この医師は、動物磁気説を唱えました。
今でいう、気功、エネルギー、波長といわれるもだと思っていただければと思います。しかし、根拠のないものだと当初は誰も理解を示しませんでした。
しかし、1830年代に催眠療法の大きな転機を迎えます。
イギリスの医師が、メスリズム(催眠術)を利用して痛みをなくすということを行いました。
過去の論文には、麻酔なしではとうてい耐えれない痛みを催眠術によって痛みの緩和されたとの例も残っています。余談ですが、弊社でも、癌の痛みの緩和や関節の痛みの緩和などを催眠療法を通じて行っています。
話は戻りますが、1840年までにはジェームズ・ブレイド外科医がメスリズムの検証を行うきっかけになりました。
研究の結果から『何かひとつのものに集中をすると、患者は暗示に非常にかかりやすくなる』ということに気づきました。ギリシア語の語源から『Hypnotims(Hyonosis)』と名付けました。
③催眠療法は、過去のトラウマを癒す手法
催眠(Hypnosis)が精神医学と結びつくことになったのは、ジャン・シャルコー精神科が催眠を利用して、精神治療を行う病院をパリで開いたことです。
この後に、フロイトがこの病院に訪問をし神経症やヒステリーの治療として催眠術を利用する退行催眠療法を行いました。この退行催眠療法は患者が抱えている抑圧された過去の感情から解放されるためだと言われています。
フロイトの弟子であった、ユングが精神治療において過去のトラウマを癒すために催眠療法を行いました。催眠療法をきっかけに、無意識や深層心理等の研究を発展させていきました。これが、自由連想法や夢分析へと進展しました。
3-1:世界大戦で心の傷と痛みを催眠で緩和させる
第一次世界大戦の時に兵士に対して麻酔が不足しました。その時に催眠療法を利用することにより痛みの緩和をしましたと言われています。その他にも、戦場により引き起こされたPTSD(過去のトラウマによるストレス障害)を催眠療法で癒したことにより一躍催眠療法の名は広がりました。
3-2:催眠療法で有名なフロイト・ユング・エリクソンが登場
フロイトやユングによって催眠療法(ヒプノセラピー)が徐々に広がってきていました。現代の精神科医・ミルトンエリクソンが現代に繋がる臨床催眠療法(ヒプノセラピー)を確立させました。
1955年には、イギリスの医師会では医療分野における催眠術の使用を許可しました。1958年にアメリカでも価値の高い医療と認め催眠学を医学部のカリキュラムに採用しました。このように催眠療法は少しずつ精神医療として一躍有名になりました。
催眠療法の効果については、世界的にも研究をされておりその効果を実証している人たちが多くいます。
参考:FDの治療として催眠療法は有効か?
参考:How to Practice Hypnotherapy in Psychiatry
④催眠療法はあなたの人生を豊かにする
ユング・エリクソン・フロイトによって広がった催眠療法(ヒプノセラピー)は心身共に効果があるものとしてアメリカやイギリスでは認められています。催眠療法(ヒプノセラピー)でできることには、下記のことがあります。
=心のケア=
●不眠
●うつ病
●依存症
●愛着障害
●不安障害
●摂食障害
●PTSD
●強迫性障害
●アダルトチルドレン
●インナーチャイルド
●統合失調症
●更年期障害
●解離性同一性障害
=ビジネス=
●自信
●やる気の向上
●苦手意識の克服
=健康=
●冷え性
●肩こり
●ダイエット
●禁煙
●ほてり
上記に記載をしているのは大まか一例にしか過ぎません。催眠療法でできることはたくさんあります。厚生労働省が発表しているサイトにも下記のような記載があります。
・催眠療法が一部の痛みを伴う症状・疾患の管理に有用な可能性を示唆するエビデンスが増えています。
・催眠療法がホットフラッシュなどの更年期障害の症状の改善に有用な可能性を示唆する一部のエビデンスがあります。
参考:統合医療に関わる情報発信等推進事業 厚生労働省
このように少しずつですが、催眠療法と心のケアに関する有効性が浸透しつつあります。しかし、目で見えるものではない以上、信憑性を疑う人も少なくはありません。弊社としては、催眠療法の有効性を体験しているので推奨をしていますが、効果がないと決めつけてしまっている人には、効果がないと断言することができます。
⑤催眠療法は効果のある心理療法
催眠療法の歴史は長く、そして深いものです。未だに催眠療法は存在しない。催眠術はヤラセだという話を耳にすることもあるかもしれません。しかし、催眠療法は古代から続く心理療法です。
薬物療法がメインとなっている日本の精神医療ですが少しでも催眠療法によって心が楽になり、生きやすくなる人が増えますようにと願うばかりです。もしも、催眠療法をご希望の方は、ライフファクトリーの催眠療法のページをご覧ください。