常に一緒に過ごす家族環境は安定していますか。家族と一緒に過ごす時は一番ホッとできる時間、そしてあなたがあなたらしく過ごせる時間でありたい。そう思うことも多いのではないでしょうか。
今回は、カウンセリングのひとつである家族療法につてご紹介をしたいと思います。この家族療法を受けることで、家族の精神疾患を素早く緩和をさせることができたり、この文章を読んでいるあなた自身も家族との愛を再確認し、深めることができるようになります。
家族みんなが元気になること、悩みが消えて生き生きと過ごすことを想像することは難しいかもしれません。でも、安心をしてください。この記事を最後まで読むと、お互いが穏やかに過ごせるようになります。
目次
①家族療法とは?
かつてカウンセリングをはじめとする心理療法の多くは個人を対象とすることを基本としていました。しかし、多くの精神疾患は個人の病であるだけでなく、生活を共にする家族にも大きな影響を与え、反対に、精神疾患を抱える本人のご家族も大きな影響を受けています。
家族療法では、家族を単に患者さんを介護したりサポートしたりする存在としてケアするだけでなく、患者さん以外の家族の方自身もカウンセリングを受けるという方法です。
こうした方法を取ることによって、個人や家族が抱える様々な精神的・行動的な課題を、家族という文脈の中でより適切かつ包括的に理解することが可能となります。家族療法とは、一番近くにいる家族との関係をより良いものにしていこうとする試みです。
参考:一般社団法人 日本家族療法学会
②家族療法はどんな精神疾患に有効?
家族療法に有効な代表的な精神疾患をご紹介します。
・うつ病
・不登校
・自傷行為
・統合失調症
・摂食障害
上記のように各種精神疾患に有効です。他にも、夫婦間のトラブルやお子様が不登校や発達障害で悩んでいるご家族の方にも有効です。
弊社でも、可能な限りご家族とご本人によるカウンセリングや心理療法を行なっています。なぜなら、心を安定させるためには、家族同士が不満や不安感を溜めないことがとても大切だからです。他のサイトでも、下記のようなことを言われています。
適切な対応や望ましい接し方を身に付けるために心理教育も必要です。特に、病気からくる本人の行動特性を理解することができれば、家族の接し方や態度は変わってきます。このような観点から、家族に対して疾患教育がなされ、症状に対する適切な対応と接し方を学ぶ心理教育が行われます。
引用元:家族への心理教育|統合失調症ナビ
③家族療法の効果はとても高い理由
家族はたとえ生活を共にしていたとしても、必ずしもお互いのことを十分に理解しているとは限りません。家族療法のカウンセリングを通じて、自分たちでは解決できなかった課題や関係性が明らかになり、課題の根本的な解決に導くことが期待されます。
だからと言って精神疾患を抱えている家族が悪いということではありません。あくまでも、環境を整えてお互いにストレスを溜めない生活を送ることが目的です。東京大学公開講座でも、中釜 洋子教授が下記のようなことを伝えています。
組み合わせ次第で長所にもなれば短所に もなる個性や可能性をもったメンバーが、 一緒に暮らしてゆくための援助へ 互いのよさをもっとも引き出しあう繋がりか たの探求につながる。
引用:子どものバランス・家族のバランス|東京大学公開講座 教育学研究科|中釜 洋子教授
このように、家族揃ってストレスの少ない環境を整えることによって徐々にお互いの理解を深めることができるようになります。環境は、当事者の心の病にダイレクトに響くため、まずは環境を整えることによって、個人のカウンセリングも安心して過ごすことができようになります。
④家族療法のメリットは効果が高いこと
家族療法のメリットは、効果が高いことです。また、精神疾患に一番重要な「環境」を変えるきっかけになることです。
この環境とは、自分の理解者が増えることによる安心感があげられます。精神疾患の多くは孤独感や自分は理解してくれない。 自分が親の面倒を見なければいけないという強い固定概念により自分の首を絞めてしまいます。
そこで、家族にとっての幸せは「自分が幸せになること」と認識をすることによって心を楽にさせてあげることができます。家族の理解を第三者の前で聞くことにより本人の安心感や家族との信頼関係が再構築 されます。
⑤家族療法のデメリットは家族が集まれない
一人へのカウンセリングよりも包括的に課題を理解することができます。基本的には家族療法は望ましいものですが、いくつかの注意点もあります。
家族全員が集まることが物理的に難しく、カウンセリングを定期的 に継続することが難しい場合があります。仕事などの都合で参加できない家族がいる場合、その家族が排除されてしまうというデメリットもあります。
さらに、家族に言いたくないことがある場合や、家族の誰かとの関係が病の直接的な原因になっている場合には、家族療法が苦痛なものとなってしまう可能性もあります。ここばかりはカウンセラーの技術に依存をしてしまうので家族療法を受ける場合でも家族療法を行う場合にも注意が必要です。
⑥家族療法を受ける度に信頼関係が深まる
家族療法を受ける度に夫婦関係が円滑になったり、親子の関係が改善されるる効果が期待できます。なぜならお互いに抱えていた不安感や不満をぐっと堪えていたとします。この不満が蓄積されれば、されるほど相手に強くあたってしまったり、日常の些細な言動さえもイライラしてしまうことが増えてしまいます。
しかし、自分の思っている気持ちを素直に相手に伝えることによって、自分自身がスッキリとするだけではなく、相手もあなたの気持ちが分かるようになります 。そうすることで、何をすると相手が不快に思い、何をすると嬉しい と思ってもらえるのかかが分かるようになります。
結果的に相手同士の理解が深まり家族関係が円滑になります。普段は思いをぶつけることで喧嘩になることや、どちらかが一方的に怒ってしまい「喧嘩」で終わることもあるかもしれません。
しかし家族療法では、第三者が冷静に質問をしながらお互いの気持ちを伝えることができるため、お互いに傷ついたり嫌な思いをせずにスッキリすることができる ようになります。
このように、家族の課題をともにカウンセリングを通じて共に明らかにして、未来に向けてどのように解決していけばよいのかについて考えていくプロセスを家族療法と呼びます。弊社では、時として精神疾患を抱えるご本人の依頼により家族を説得する仲介役も行っています。
⑦家族療法を受けると劇的に人生は変わる
家族療法を初めて聞いた方もいるかもしれません。この家族療法はうつ病や統合失調症を抱えるご本人を楽にするだけではありません。共に病と向き合うご家族のサポートをカウンセラーが行います。
一見、自分のことを理解していない!と思っているご本人も、しっかりと家族を話し合う時間を設けることによって、信頼関係の再構築へと繋がります。
うつ病、統合失調症、不登校、発達障害、夫婦関係の修復にも十分に有効な心理療法です。受けたいと思った方は、ぜひお近くの心療内科をおとづれてみてください。弊社でも家族療法の対応をすることはできますので、弊社カウンセリングの特徴をご覧ください。
公認心理師:吉田澄央
ライフファクトリー東京代表。公認心理師でもあり催眠療法士として活躍。「改善するカウンセリング」の実現のために、今まで1万回を超える精神科診療に同席。現役の心理師でありながら日平均来院数1000人以上の精神科医院にて、患者相談部門の事務長を任される経歴を持つ精神科医療分野のプロフェッショナル。
吉田心理師の監修:「不安障害」記事一覧
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