統合失調症は脳の病気だから治らないのでしょうか?本当に統合失調症は治るのか?
このようなご相談を弊社でも多くいただきます。SNSでは様々な情報が錯綜し、素早く統合失調症が薬で治る人もいれば、何十年にも渡り悩む人たちもいます。
弊社のこれまでに100名以上の統合失調症のカウンセリングを行ってきた弊社の見解をお伝えいたします。「統合失調症は改善することができる」 ということに焦点を当ててお伝えします。
実際に、完全な回復は予算や家庭環境により変動をしますが、基本的に徐々に回復はします。
怪しい..と思う方や、まずは一生このままだと思い辛い思いをしているあなたは、ぜひこの文章を読んでみてください。これまでのカウンセリングデーターをもとに本音をお伝えしたいと思います。
①なぜ統合失調症は治らないと言われるの?
統合失調症は、原因がまだはっきり分かっておりません 。病気によって起きる症状は様々なことからお薬も多くの選択肢があります。お薬の副作用も多く、そのため治療が長引いてしまうことが、統合失調症は治らないと言われている主な原因かと思われます。
これからお伝えする統合失調症の内容はあくまでも厚生労働省で提言されている内容や弊社の実体験をもとにお伝えをします。
2-1:脳の病気と言われている
統合失調症の原因ははっきりしていませんが、今まで研究してきた結果、脳が関係している病気であることが分かってきています。
CTやMRIといった脳の画像解析装置によって、統合失調症患者の脳の形を調べたところ、前頭葉や側頭葉が小さくなっているという研究結果が多く出ているのです。
統合失調症の方は、行動の目標を決めて、柔軟かつ計画的に考え、それを実行する力(実行機能)が低下している方が多く見られます。これを実行するための脳の働きは、認知機能とよばれています。
この認知機能は前頭葉と側頭葉を中心として営まれるため、上述した研究結果とも合致する結果となっているのです。実際に厚生労働省が運営をしているサポーター育成の情報提供されているサイトでは、下記のことが言われています。
統合失調症は脳の病気であることを理解し、病気について正しい知識を学ぶ必要がある。参考:厚生労働省精神障害(精神疾患)の特性(代表例)
しかし、脳の病気だからと断言することはできないと弊社では考えています。なぜなら、本当に統合失調症だとすると家族から離れている間が症状が落ち着いたり、催眠療法で辛い気持ちを全て吐き出すことで症状や状況が好転するケースが起きるでしょうか.. という話です。
ここについては、書き出すとキリがないので簡潔にまとめますが「統合失調症=脳の病気」で片付けてしまうことにより、根本の原因を解決せずに、最初に苦しんだり、一向に改善しないという状況を招いてしまいます。
2-2:既存の精神薬が強すぎる
統合失調症の診断をされると、精神安定剤が処方されます。しかし統合失調症のお薬は種類が多く、副作用も様々なことから、体質や症状に合致したお薬を見つけるまでが大変なのです。
お薬を飲み始めて副作用が出ると、今度はその副作用を抑えるためのお薬が処方され、またそれに副作用が出てくるというような事態になることもあります。そうなると、最終的には何が症状で何が薬によるものなのかが分からなくなり、不安感が強くなります。
そしてますます心情が悪化する悪循環に堕ちいている方が非常に多いのです。
また、副作用がつらいから、症状が安定したからといって、自己判断でお薬を飲むのを減らしたり、止めたりすることは危険です。離脱症状により大変な思いをしてしまうので、減薬や断薬をしたい場合は、医師に相談 してみましょう。
統合失調症の薬で起こる副作用
・錐体外路症状
手が震える、身体が硬くなる、思うように動かなくなる
・生理が止まる
・乳房がはる
・乳汁分泌
・性欲がわかない
・口渇(のどの渇き)
・胃腸障害
・排尿障害
・記憶障害
・首が反る
・身体が傾く
・足がムズムズする
・歩きまわる
・無意識に身体が動く
・よだれが多量に出る
・体重が増える
・頻脈
・糖尿病
2-3:表面の治療しかしていないから
統合失調症が治らないとされている理由は、日本の精神医療の治療法が、症状を緩和することに治療の焦点を当ててしまい、対処療法(表面的に症状を抑えること)に追われてしまっていることが多い ことが原因と考えています。
さらに踏み込んで、患者さんご本人の状況まで分析 をしているところは非常に少ないのが実態です。症状を緩和することに焦点を当てていると、薬を出して症状を抑えることがメインとなります。
そうすると、その人の抱えている心の痛みや原因に焦点を当てることはありません。また再発防止のための心のケアを行わないので、何度でも患者さんは同じ症状に悩む ことになってしまうのです。
③統合失調症が治らないと悩んだ時に知るべき3つのこと
統合失調症が治らないと焦る時に知っておいてほしい3つのことをご紹介します。
・診断基準が幅広い
・スピリチュアルな世界が身近にある
・既存の精神医療に改善という考えが浸透していない
ことなどが挙げられます。細かい内容についてご紹介をしていきますので、最後まで読んでみてください。
3-1:統合失調症の診断基準が幅広い
そもそも統合失調症かどうか否か曖昧なケースが多い ことを弊社は危惧しています。これまでの弊社のクライアントの状況で最も多いのは、本当は統合失調症ではないのに統合失調症と診断をされている ことです。
日本全国、上は北海道、下は九州まで弊社のカウンセリングにお越しいただくことが多いのですが、皆様おひとりだったりご家族と一緒に飛行機に乗ってお越しくださります。実際に統合失調症の人がひとりで飛行機に乗ったり、オフィスに来る ことはできますでしょうか?
他にも、思考がまとまらない、イマジナリーフレンドがいると話をしただけで統合失調症と診断をされているケースも多々あります。
実際に盗聴されている、電子機器が体に入っているといった例もございますが、そのようなケースはごく一部です。
本当にひどい統合失調症の場合、自分が統合失調症であると自覚をすることができなかったり、記憶が飛んだり、家から飛び出してしまったりします 。
今この文章を読んでくださっているあなた自身が、もしも統合失調症だと思って読んでいらっしゃるのならば、一度本当に「統合失調症なのか」を病院を変えて、見直してみることを強くお勧めします。
このように、統合失調症の症状は多岐にわたり、薬の副作用による症状も多くあることから、統合失調症と誤って診断されてしまうことがあるのです。そういった事例が弊社にいらっしゃるクライアントでも多く見られました。
3-2:スピリチュアルな世界が身近にある
統合失調症と診断され、弊社にカウンセリングに来られた方からお話を伺っていると、下記のケースに該当していることが多いです。
・自己催眠をやりすぎている
・スピリチュアルや占いにハマる
・霊、憑依、ホラーなどに強い興味関心がある
・ヨガやマインドフルネスに没頭しすぎてしまう
全ての方に該当するわけではないですが、上記の何かひとつでも当てはまっている方は統合失調症になりやすいケース だと思います。なぜなら、もともと繊細な体質な方は暗示性が非常に高いのです。この暗示性とは、催眠のかかりやすさのことを言います。(暗示とは事実とは異なる内容だとしても、自分で信じるように自分で促すこと)
例えば、スピリチュアルや占いに没頭していくことで、暗示がかかるようになってしまい、自ら脳をトランス化 させてしまいます。それが続き、常に催眠状況を自分で創造している可能性が十分 に考えられます。
実際に、スピリチュアルな世界などから卒業をすることで統合失調症を改善することができた人たちは大勢います。
あくまでも、スピリチュアルの世界は自分自身が楽しむ程度にすることで、自分らしさを保ちながら人生を楽しく過ごすことができます。
3-3:既存の医療やカウンセラーは改善できると思っていない
最も弊社が問題視をしているのは、そもそも日本のカウンセラーや医師自身が、統合失調症は治らないという概念が心のどこかにあることです。脳の病気であり治らないと思っていることです。
そのため、統合失調症になった原因が心や患者自身の置かれた状況にあるということを考えません。原因を考えることもせずに、今のつらい症状を抑えようという方向に焦点 がいってしまいます。つらい症状を抑えることも必要ですが、それだけですと、根本的な治療にはならないのです。
④統合失調症は治らないと思う前に知っておいてほしい3つの方法
統合失調症になる原因は、脳ではありません。原因は、幼少期に負った心の傷によることが多いです。心の傷を癒し、身体も健康的な食生活を行って整え、信頼を寄せられる人との関係をもつことで症状は大きく改善をします。
4-1:統合失調症と診断されたら幼少期の傷を癒してみよう
多くの場合、幼少期に愛されなかった頃の経験が大きく関わっています。寂しい思いをしていたことから、自分を防衛するために自分の中にいるもうひとりの自分を作ってしまったり自己表現が苦手になります。
そうすることにより、社会に出た際や学校生活でも人間関係が上手くいかずに弊社に引きこもったり、孤独に苛まれて統合失調症を併発する可能性 があります。この根本にある心の傷を癒してあげることで、統合失調症は徐々に改善をしていきます。
4-2:食生活を整えることで体質を変化させよう
食生活の栄養バランスを見直してみましょう。統合失調症と食生活?と疑問に思う方も多いかもしれません。しかし、地域精神保健福祉機構でもこんなことが言われています。
低血糖により脳のエネルギー源となる糖質が不足すると、頭がボーっとする(意識障害)、神経の働きに必要なビタミンB群の欠乏により、けいれん、ときに幻覚妄想がみられる、脱水や水中毒などにより電解質のバランスが崩れると意識障害、イライラなどが起こる、などがあります。参考:地域精神保健福祉機構
このように、炭水化物や糖分など、糖質を多く摂るバランスになっていると、身体の血糖コントロールがうまくいかなくなっている事があります。糖質を抑え、タンパク質・脂質・野菜中心の食事にして2~3週間程度過ごすと、体調が改善します。
4-3:理解者をつくり、自分の辛さを吐き出す環境を作ろう
統合失調症を引き起こすクライアントの多くは孤独感が大きく影響をしています。周囲の人間関係がうまくいかなかったり、自分の気持ちをうまく伝えられない状況である。もともと、相手に意見を話すことや会話をすることが苦手なタイプでが多い です。
そこで、週に1回でも良いので、人と会話をする居場所を作ってみてください。さらに絶対的な味方と思える人、安心できる環境を整えて みます。
そうすることで、孤独感が緩和され、自身の安全欲求が満たされて、統合失調症の症状が落ち着いていきます。
ただ、近年頻繁に利用されているSNSばかり利用することはお勧めではありません。 なぜなら、ポジティブな情報もあればネガティブな情報 も流れてきます。
他の人の辛い気持ちの文字ばかり見ていると、自分自身もネガティブになるある種の催眠状態になりますので、要注意です。
できることなら、心が安定している人たちと会話をする環境を整えてみましょう。そうすることで、少しずつ状況が改善していきます。
⑤統合失調症は治らない!を覆すカウンセリング方法
統合失調症は回復しないだろう..と思っているカウンセラーさんや精神科医の方も非常に多いです。もちろん100%統合失調症を完治できる!とまでは言い切ることはできませんが、症状を少しでも回復する方法をお伝えします。
5-1:心の鬱憤を吐き出すカウンセリング
カウンセラーが、クライアントの心の中に溜まったつらい気持ちをお聞きします。話をしながら、これまで蓄積されてきたストレス、抑え込んできたつらいお気持ちを解放していきます。
この心の鬱憤を吐き出すことができていないと、上からどんなにカウンセリングや心理療法を行なっても効果が薄くなります。なんでも土台や基礎は大切ですよね。いきなり応用をやっても心が苦しくなります。ですから、まずは心の負担をゼロベースにする ことで心が楽になります。
5-2:催眠療法で根底の傷を癒す
幼少期についた心の傷、つらいお気持ちを認識していたとしても、それに対する思いを大人になっても変えることができず、なかなか消化できずに苦しみ続けるケースは少なくありません。そういった場合に、有効なのが催眠療法 です。
心の傷への感じ方が変わり、苦しみがなくなることから、辛い症状を改善することができます。
5-3:オープンダイアローグ
できるだけ薬を使わずに対話で治療を行っていくとした、フィンランドで発祥した治療法です。クライアントの言っていることにおかしな部分があったとしても、否定せず、クライアントの心の声に傾けて聞いていきます。
このような対話を繰り返していくことで、クライアントの孤独感が薄れ、カウンセラーとの関係が構築されていき、心が穏やかになっていきます。
⑥統合失調症は治らないと決めるのまだ早い
いかがでしたでしょうか。統合失調症が治らないと決めてしまうのは早いということがご理解いただけたでしょうか。統合失調症と医師に診断されていたクライントでも、少しずつ状況は改善することができます。
大切なことは、統合失調症だから治らないと諦めるのではなく、正しいケアをすれば回復の兆しがあるということを大切にしてください。
また、そもそも統合失調症ではない、原因は心の傷にある、といった内容は、今かかられている病院の医師の言っていることとは全く方向性の違う話かもしれません。
しかし、本当に自分の人生を変えたい、自分らしく生きたい!と1%でも感じてくださったのなら、統合失調症の治し方を詳細に書いていますので読んでみてください。
公認心理師:吉田澄央
ライフファクトリー東京代表。公認心理師でもあり催眠療法士として活躍。「改善するカウンセリング」の実現のために、今まで1万回を超える精神科診療に同席。現役の心理師でありながら日平均来院数1000人以上の精神科医院にて、患者相談部門の事務長を任される経歴を持つ精神科医療分野のプロフェッショナル。
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