森田療法という療法を聞いたことはありますか?森田療法とは、日本で発祥した心理療法の一つです。否定も肯定もせずに事実を受け止め認めてあげることで精神疾患の改善を行います。
目次
①森田療法とはありのままの自分を受け入れること
森田療法とは、日本で創設された心理療法です。1921年に森田正馬によって創設された心理療法です。森田さん自身も幼い頃から死に対する恐怖心やパニック障害を患っていたと一説には書かれています。
その経験を自ら克服する方法として生み出されたのがこの森田療法です。森田療法は、「恐怖心や、不安感を排除しよう」という考え方ではなくどんな自分でも「受け入れてあげる」ことを指します。その上で抑制するための行動をし、心を穏やかにしていくことを目的にしています。
もう少し森田療法の目的を詳しく見ていきましょう。森田療法センターでは、下記のようなことを提言しています。
「あるがまま」の姿勢とは、不安や症状を排除しようとする行動や心のやりくり(「はからい」と呼ばれます)をやめ、そのままにしておく態度を養うことです。さらには、不安の裏にある、よりよく生きていきたいという欲望(生の欲望)を建設的な行動として発揮していくことをも意味しています。こうした行動を通して、自分を受け入れ自分らしい生き方を実現することが森田療法の最終的な目標になります。
参考:森田療法とは|東京慈恵会医科大学森田療法センター
このように不安も悲しみも受け入れることにより毎日を心穏やかに過ごせるようになることを重要視しているようです。
②森田療法の特徴は、自分を受け入れること
森田療法には特徴があります。それは、不安感を異常なもの、あってはいけないものと捉えるのではなく、そのままの自分を受け入れてあげよう。
ということです。強い不安感がある場合、それだけ生きたい!という気持ちが強いということだと定義をしています。
確かに、本当に死にたいと思ったり、どうでもいいと思っていたら悩んだり、苦しんだりはしないですよね。どうにかしたいと心のどこかで強く願っているから辛くなる時もありますよね。森田療法では、その気持ちを素直に受け止めてあげることが大切だという概念です。
③森田療法はどの精神疾患に役立つ?
森田療法は、パニック障害、不安障害、強迫性障害にも有効です。基本的に強い不安感に悩む方に対して効果的だと言われています。
森田療法が効果的だと言われてる精神疾患各種
・強迫症(強迫性障害)
・社交不安症(社交不安障害)
・パニック症(パニック障害)
・広場恐怖症(広場恐怖)
・全般不安症(全般性不安障害)
・病気不安症(心気症)
・身体症状症(身体表現性障害)
他にも、負けず嫌いでいつも何かと戦ってしまう方、内向的な方などにも森田療法は効果があると言われています。自分自身の性格を変えることにも有効な心理療法のひとつかもしれません。
④実際の森田療法はスパルタだとご存知でしたか?
今では、ノートに書いてその日の自分の感情を後日振り返る、気持ちを受け止めるということが主流になっています。しかし、森田療法が発祥した時には、下記の方法が取られていました。本来の治療期間は1月〜3ヶ月 と言われており、改善するまでの段階も全部で3段階あると言われています。
4-1:森田療法 第Ⅰ期 臥褥期(がじょくき)
この森田療法の臥褥期(臥褥期)は原則7日間何もしないということです。原則、運動や娯楽をすることはなく、ただ寝ている日々を過ごすということです。
お手洗い、洗顔、お水、食事以外はただ寝ている のはかなりきつそうだなぁという印象を個人的には持ちました。私には耐えられないかもしれません。しかしこれは、『怖い気持ち、不安感をあるがままに感じよう』ということが目的とされています。
4-2:森田療法 第2期 軽作業期
7日間ほど何もせずに、ゆっくりと寝て過ごしたあとは大きな作業や体を動かすことはしません。5日間ほどゆっくりと小さな作業 を行います。
例えば、絵を描く、お花を受けてみる、部屋を片付けるなどの本当に簡単なことからゆっくりと行います。『周囲を観察しながら、外の世界と触れ合う』ことが目的とされています。
4-3:森田療法 第3期 作業期
この最後の段階になると、物事を積極的に取り組みやり遂げることを重要視しています。自主性を高めていくことが目的ですので、しっかりとグループ内で役割を決めます。他にも自発的に何が必要で、どんなことをするべきなのかを考えて行動をします。
<森田療法の作業機の例>
●植木の水やり
●簡単なお遣い
●月に1回交流会に参加
この時点で不安感が払拭をされているわけではありません。
不安感や心配を抱えながらでも、体を動かすことによってその不安感=囚われ
から自分を解放していく作業を行います。
⑤弊社で行う森田療法はあるがままを受け入れることに焦点をあてています
弊社は医療機関ではないので、上記のような入院治療法を必要とする森田療法を行うことはありません。しかし、独自で行っているオープンダイアローグに心理療法を加えるカウンセリング を行なっています。この場合には、森田療法を利用しています。
弊社で行う森田療法は『あるがままを受け止める』ことを心理カウンセラーとの対話の中で行っていきます。このあるがままとは、恐怖心や、生に対する強い欲求を認めてあげていく作業になります。
また、オープンダイアローグ以外の心理療法にも利用をしています。
事前に用意したカリキュラムの中で、クライアントの状況をしっかりとヒアリングをしながら対応をしています。
オープンダイアローグを初めて聞いた方は、最先端のカウンセリング技法、効果抜群のオープンダイアローグで説明をしていますので、ご覧ください。
⑥森田療法は自分でもできる
森田療法は、私たちが普段抱えている不安感をそのまま受け止めてあげようという療法です。実際に入院をして行う精神科や心療内科はかなり少なくなってきています。
現在の森田療法は、自分の感情を素直に受け入れてあげることを一番大切に考えています。毎日感情を受け止めて、ノートに記載、3〜4日後に自分の感情を見つめてコメントを書いてあげる ことで1つの方法ですので、ぜひ試してみてください。
それでも上手く改善しない、辛い思いが続く…という状況でしたら一度弊社にご連絡をいただけますと幸いです。改善方針を無料でお伝えをしています。弊社のカウンセリング方法は、ライフファクトリーカウンセリングの特徴でご紹介をしています。